そのために1日分多く差額ベッド代がかかっているということを、ボンボンはぜひ知っておくべきである。その金額は、恐らくこの先の放射線治療が2回受けられる金額相当であることを。なお、ボンボンが1回アルバイトをすることで、懐に入ってる金額は毎回8〜10万円相当であろう。週1回の外来バイトを担当することで、1ヶ月のバイト代総額は普通の人の月給以上であり、これだけ稼げるのが医者という職業のなせるワザである。
入院したその日は、同意書記入後は本当に何もやることがなくなってしまい、担当の看護師さんに「明日の夕方の麻酔医と手術室看護師の回診に間に合えば、外泊しても構いませんよ」と言われてしまった。が、高い差額ベッド代を払っているのに、泊まらないなんてもったいない!という母の言葉につられ、泊まることにした。消灯は9時。眠れるかなーと思ってたけど、意外にぐっすりと眠ってしまい、起きたら翌日の朝5時であった。なんて健康的な!
「●●教授の回診が始まりますので、病室でお待ちください」
朝食を食べていると、放送が入った。そう、大学病院ならではの、教授回診である。
教授とその取り巻きが隣の方と話している間に、取り巻きの1人が私の所にきて「●●先生の診察があるので、お胸を出していただけますか〜?」と。おお、そうだったのかとお胸(むしろ乳)を出してるところに、●●教授、登場!教授+乳腺外科の先生数人(ボンボンはバイトなのでいないw)+研修医的な数人でぐるりとベッドを囲んで、上から覗き込まれる(うわ、沢山の視線が上から集まるってすごい光景だ……)。そこでぺろんと乳を出してる私。あまりにも自分の姿が滑稽で、笑いそうになりつつも、こらえる。
教授「おはようございます!(と私に挨拶)所見は?(と研修医に)」
研修医「ほにゃらら(たぶん左乳がん的なことを言ったみたい)で明日オペです」
教授「どの領域?」
研修医「えっと……」
教授「だめだよすぐ答えられないと、キミの担当でしょう?」
��お、ダメだしされてる。がんばれ!若者!ちなみに左C領域です)
教授「じゃあ、ちょっと触らせてくださいね。あれ?触れないね」
先生「私も昨日、初めてエコー見たんですけど、あれ?わからないですね」
研修医「……わかりません」
教授「触れなくても、きちんと画像で出てるので、安心してね!」
安心っていうか、3人触って誰もわからないって、なんじゃそりゃ!という感じですが、私の乳がんは腫瘤が1cm程度すでに形成されていると画像では判断できるにも関わらず、触っても本当にわかりにくいものだった。最後まで、自分で探してみても、どこにあるかがわからないままだった。診断をしてくれたクリニックは一切触診をしない方針だったので(それはそれで正しいのだが)、触ってわかった人というのはボンボンただ1人だけ……私の乳がんを触れたのがよりによってボンボンだけなのかと思うと、ちょっと悲しいものがあったり。
朝ご飯を食べたらすぐに眠くなってしまい、ウトウトしてると昼ご飯、そして食べたあとはあまりにも暇だったので、速攻外出届けを出して、家に忘れ物を取りに帰り、夕方病室に戻ると、突然古くからの友人がお見舞いにやってきた。確かに友人には入院する病院を知らせておいたけど、まさかお見舞いに来るとは思ってなかったので、かなりびっくりしたのだが、人には話せなかった手術前の本心を聞いてもらえて嬉しかった。
友人が帰ってからシャワーに入ると、すぐに消灯の時間。しかし、眠れない。どうやら非常に緊張してるようで、寝付けないのだ。さすがに0時を回りそうになるとまずいと思い、見回りに来た看護師さんに「どうしても眠れない」と話して睡眠導入薬を処方してもらい、それを飲んだら結構あっさり眠れた。
ちなみに、上の方にある落書きみたいなのは、一番左が通常の乳がん(いわゆる浸潤性乳管癌)の形、真ん中の平たい丸が私の小葉癌の形。なぜ私の乳がんが、触診で触れにくいのか、広がってる可能性がどうしてあるのかを説明してくれた。一番右が、傷の形と傷の位置。本当にこんな感じになるのかな……。
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