2013年4月1日月曜日

入院と手術2(入院当日)

入院の当日。午前11時前に入院する病棟へ向かう。

入院の当日の夕方に術式などを含めた相談をもう一度するという予定だったのだが、入院する数日前にボンボンから電話がかかってきて、どうやら入院してすぐに時間が取れそうなので、夕方まで待っていただく必要はなくなりました、とのこと。親切なのか、なんなのか、実はよくわからなかったけど、その相談の時間は、手術の同意書を書くために家族の立ち会いが必要だったから、立ち会ってもらう母にとってさらに都合がよくなり、内情は知らないくせに、タイミングが良い申し出であった。

入院手続きが終わって指定された病室に行き、荷物を整理していると、ボンボンが呼んでるからと看護師さんが私と母を外来センターまで連れて行ってくれた。私が診療を受けている大学病院の全体はとても大きいが、その中でも入院した病棟はとても分かりにくく、古くて暗い。外来センターは最近作られた建物で、その中央が吹き抜けていて明るい。入院した病棟と外来センターの間は、ガラス張りの長い渡り廊下のようなもので結ばれていて、入院している間は古くて暗い病棟にいるのが嫌で、体が動かせる時期は何度もここを歩いて用もないのに外来センターに行っていた。実際にこの渡り廊下は、術後などのリハビリにも使われているようだった。

外来センターにいくと、ボンボンが待っていて、乳房のエコー(超音波)検査をもう一度やるという。基本的に大学病院なので、エコーの検査をしている間中も、まわりで3人ぐらいの若手の医師(たぶん研修医)が見ていて、なるほど、これが教育の場ってやつかと、かるい視線の洗礼を受ける。しかし、この教育の「場」は、教授回診というイベントにて、最高潮を迎えることになる。

エコー検査のあとは診察室にて、術前最後の相談。あっさりと乳房温存術でお願いしたいと私が言うと、ボンボンはちょっと拍子抜けしたようだった。もちろん、そこに至るまでの思考の道筋があっての選択なんだけど、そんな話はここでは不要なのでどうでもいい。実際の傷の位置や長さ、部分切除後の乳房の形をもう一度説明してもらったけど、やっぱりボンボンの説明はよくわからなかった。内容は総じて、切除位置から考えると、まわりの脂肪(切除位置付近には、実は結構脂肪があるとのこと)を集めることで、乳房は丸くなる、ということだった。うーん。その丸というのは、元の形に沿って丸くなるのか、単に丸くなるのか、なんなのかよくわからないと思ったけど、すでに、ボンボンに説明してもらっても、私自身が納得できる答えをここで出すことは間違ってると結論付けていたので、術式はこれにて決まり。

その後、手術に関して、もう一度説明してくれたが、ちょっとその内容が変わっていた。

・再手術になる割合は10人に2人弱(お、少し少なくなった。実はこれ19%なはず)
・MRIとPET、エコーすべての画像で同じように腫瘤が描かれているが、その場合は所見通りなことが経験上多い
・ただし、小葉癌によくある形をしているので、頭の片隅に「再手術」という言葉を置いておいてほしい
・腫瘤径は最大12ミリぐらい(診断時より3ミリぐらい大きいかもしれない)
・触診と画像上では、リンパ節への転移は認められないが、センチネルリンパ節生検の結果、転移があった場合はリンパ節を廓清する

ここまで聞いて、ボンボン、すごい説明の内容が進歩してる!私が前回噛み付いた「20%の再手術は多い!」を、しっかりとカバーした説明になっている!と感動した。私が不安に思っていたことに対して、実際の数値と自分の経験、そして可能性を用いることで、過不足ない説明に進化させていた。オドオドしてるし、うっかり発言も多いけど、ボンボンに治療をお願いしよう!という気になったのは、これが理由だ。私がなぜ噛み付いたのかを理解しようとしてくれた姿勢が見えたからだ。

ただ、乳房の審美的な話は、最後までよくわからなかったんだけど……ね。

0 件のコメント:

コメントを投稿