2013年2月28日木曜日

診察と検査2

初めて大きな病院に、病気で診療に行った。壁に激突して、救急車で大きな病院の救急科に担ぎ込まれ、3針ホッチキスで留めたことはあったけど、がっつり診療を受けるのは、生まれて初めてのこと。
あまりにも大学病院は大きくて、外来専門のセンターにたどり着くまで、病院の敷地らしき場所に入ってからさらに10分以上かかり、よくわからなくて口が空きっぱなしだったんじゃないかと思う。

そして、指定された10時前に初診の受付をして、さらに30分ぐらい待つと、担当の先生の前に違う先生による予診があった。現在、どのような診断を受けていて、どういう経過を辿って来たのかを聞かれ、目の前でその内容が電子カルテに書き込まれる。さらに、今日の検査の予定表が渡される。それぞれ検査を受ける場所が違うので、どでかい外来センターの中を行ったり来たりをしながら、気がつけば、もうお昼もとうに過ぎていた。そして、午後になり、今日受けた検査の結果が出たということで、やっと紹介された医師と初めて顔を合わせる。たぶん、私より少し若いんじゃないかと思う男性の医師で、メガネをかけていて、とても温厚な印象。

その第一声が、前回のエントリーの最後の言葉。クリニックでも病院でも「よくこの状態で〜」という言い方をされているんだけど、だからといってそれが「よかった」という意味では決してない。その理由は私の乳がんが小葉癌だからというのがある。見つかった腫瘤は左上の端にあるらしく(私自身、未だに自分では触ってもよくわからない……)、ここにあったから見つかったんだろうねぇ、あとは、やっぱり診断を受けたクリニックの先生の力量ということを言われる。

基本的に乳がんの大多数を占める乳管癌の場合は、手術前の臨床(MRIなどの画像)診断で大体の範囲がわかることが多いのだが、小葉癌の場合は実際に手術をしてみないとわからないことが多いらしい。だから、現状は1cm未満と言われている腫瘤も、開けてみたら10倍ぐらいあった、ということがざららしいのだ。もちろん、現状どおりということもあるのだが、それがどちらになるかは、正直言ってわからないと言われる。

先生の触診によると、すごくしこりが触れにくいので、これは通常の触診だと見逃されちゃうね(そのとおり、この2年まったく異常を指摘されなかった)、あと、なんとなく広がってる感じがするのと、実は触診が当たることもあるんだよね、ということで、カルテには触診で約10mmの腫瘤+乳頭方向に約15mmの広がりの可能性あり、と書いていた(この辺りは専門用語で書いてるんで、私の方で平文にしてますが)。電子カルテって患者の目の前で入力してくれるので、ディスプレイを見ながらメモも取りやすくて便利だなぁと、本当はあまりいい内容じゃないのに、感心してしまった。

現状の病期はT1N0M0(ステージ1=腫瘍の大きさが2cm以下、リンパ節への転移認められず、遠隔転移なし)と書き込まれるが、手術後の病理診断結果でT3N2M0(ステージ3=腫瘍の大きさが5cm以上、リンパ節への転移あり、遠隔転移なし=これに関しては、恐らく現状ではないはず……)など、一気に病期が変わることも珍しくないという。これは、私も検索したblogなんかで、手術前にはT1(早期)と診断されていたのに、手術後にT3になっている小葉癌を何人も見た。だから、こういうことが起きたとしても、まったく不思議ではないし、小葉癌の典型でもあると覚悟している。

ただし、針生検で取った組織の特殊検査の結果は、ホルモンレセプター(ER/PgRともに)陽性、HER2陰性なので、がん細胞としての悪性度は低めになりそうだということ。とは言っても、これもまた眉唾で、手術後の病理診断結果で20%ぐらいが変わると言われている。

最後に今後の治療方針の話になる。先生としては、小葉癌だからという治療法を取るのではなく、間口を広く考え、これからの結果結果によって、その先を決めて行く方針で行きたいと言われた。私もその点では一致しているのだが、とにかく小葉癌の予後が何よりも心配であるということを話す。

すると、情報が少ないのは事実だが、先生の経験上、基本的に小葉癌の場合、がん細胞の悪性度は低めで私の現在の特殊検査の結果も例に漏れず。だから、再発する場合も数年という単位ではなく、もっと時間が経ってから、10年単位でというケースが多いらしく、つまりはがん細胞の増殖速度は比較的緩やかであるということなので、今から予後の心配はそれほどしていない。ただし、両側に発生する可能性が乳管癌よりも高いのは事実なので、反対側は今後注意すべきことである、と。この反対側にがんがまた発生した場合は、再発ではなくて、すでに現時点であったものであると考えることになる、との話だった。

手術は先生としては、現状では乳房温存を考えていて、先ほどの広がりがあったとしても、温存で行ける、と。ただ、その前にMRIで切除範囲をもう一度確認して、最終的に決めましょうということで、今回の診察は終わり。ただし、さっきも書いたとおり、小葉癌の場合はMRIでも広がりがなかなか確認しにくいらしい。だから、そこで広がりが確定でき、思ったよりも広がっているようなら、全摘ということも考えなくてはならないねと、いずれにせよ、どれもこれも賭けみたいなものだなぁとぼんやり思った。

次回までにPET/CTで全身の状態を確認して(遠隔転移があるかないか)、MRIで乳房内の広がりを見て、その結果を持って、3月3週目に最終的な手術の切除範囲と今後の治療方針を決めることになった。

乳がんと診断された当初は必ずセカンドオピニオンを……と思っていたが、私の小葉癌の場合、臨床だけだと意見を聞いても実際に手術で変わることも多いため、手術前に誰に聞いてもあまり意味がなさそうな気もしてきた。なので、今のところはこの先生に手術をお願いするつもりでいる。私の心配は、とにかく手術よりもその後のことだ。何が何でも温存ということも考えていなくて、もちろん、できればそれに越したことはないけど、癌の広がりの状態によっては全摘になっても構わないと思っている。ただ、その場合は同時再建がしたいので、そのあたりは手術の話を最終的に決めるときに、もう一度確認して、どうも私の希望どおりにはならないようならば、その時点でセカンドオピニオンを申し込もうと思ってる。ただし、そうすることで、手術がどれだけ遅れるのかがわからないというのも不安だ。とはいえ、治療方針が決まってもいないので、セカンドオピニオンは申し込めないし。

とりあえず、PET/CTとMRIを受けた結果を待つことにする。

しばらくは検査だけなので、その間に標準治療の手術後のことを調べはじめた。

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