2015年9月10日木曜日

浮かぶ、浮かんでいる、浮かべる

以前、こちらに来てから始めたことがあって、とちょっと書いたのですが、それはいくつかあるものの、一番大きいのは日本語を教えるようになったということです。

正式に教師として教えているわけではなく、こちらに来てから知り合った台湾人に対してなのですが。言語の練習方法の1つとして、「語言交換(日本語では言語交換、language exchange)」と呼ばれるものがあります。お互いに言葉を教えあう、ということなのですが、私の場合は日本語を勉強している台湾人と会って、私は相手に日本語を教え、相手は私に中国語を教えてくれるということです。

学校と違って、より生活に密着した言葉を学ぶチャンスなので、なるべく活用していきたいところ。もともとの台湾の友達が探してくれたのですが、募集をしたところ、台北などという都会でもないのに、十数人も集まり、こんなに日本語を勉強したい人がいるのかと、ちょっとびっくりしました。その中から3人に絞ってはじめたところ、いろいろな理由で2人がドロップアウトし(笑)、なんと1人だけになってしまったのですが、その相手との相性が良いようで、今では彼(語言交換の相手は男性)の彼女も交えて食事にも行くようになってしまいました。

彼の場合は、すでに1年半ほどの日本語学習経験があるので、日本語だけでの会話は成り立つのと、単に日本語の勉強がしたいだけではなく、来年の春から日本に留学する予定なので、私に対する日本語の質問もかなり具体的です。私も彼から中国語を教えてもらってはいるものの、状況的に彼の日本語能力の向上を優先する必要があると思い、その結果かなり突っ込んだ日本語の説明をせざるを得なくなりました。

その1つに「浮かぶ」「浮かんでいる」「浮かべる」の違いが知りたいというのがありました。いろいろ悩んだ結果、以下のような絵を描いて説明することに……。




水の上にボールが3つあって、それぞれは……
「浮かぶ」=ボールが「沈む」状態から上に出た状態になること
「浮かんでいる」=ボールが水の上に出ている状態にあること
「浮かべる」=水の外からボールを入れて水の上に出ている状態にすること

と、自分でも説明しながら、思わず、なるほど!と唸ってしまいました(笑)。

私は細かい日本語文法はよくわからないのですが(日本語教師ではないので)、日本語の単語の使い方に関しての説明が楽しいと感じています。その理由は、ずっと文章に関連した仕事を20年近くやってきたからというバックグラウンドがあるからなのか、人の文章を死ぬほど見てきたからなのか、いずれにせよ、外国人に日本語を説明するというのは、なんだか面白い。

彼の場合は文法は一通り終わっているので、初歩から教える必要はないものの、細かい日本語のニュアンスや「相槌」のうちかた(←これは私も聞かれてびっくりしたwんですが、中国語ではあまり相槌というのがないらしいのです)、返事のしかた、メール文章の添削など、今までの自分の経験を活かせる質問をしてくれるので、今一度、自分が使っている言語を振り返ることになり、結果として自分にとっても勉強になるよい機会です(そして、彼にとっての中国語も私と同じように感じているようです)。

「真剣」と「真面目」の違いであったり、「話す」「語る」「喋る」「言葉を交わす」の違いであったりと、日本人であれば、明らかに意味が違うとわかって使い分けているものの、いざ単語の説明をすることになると本当に難しいのですが、日本語の持つ曖昧さと奥深さを感じる日々です。

などと言いつつも、中国語ももっとがんばらないと!

現場からは、以上です。

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