2015年7月11日土曜日

PREDICTというツール

今年のザンクトガレンコンセンサスの内容を読んでいると、予後予測ツールとして、Oncotype DXなどの他に、これまで見かけなかったツール名(というのだろうか?)的なものをいくつか見かけた。

そのうちの1つがPREDICTと呼ばれるもので、いったいどんなツールなんだろう?と検索をしてみるとちょっと興味深い記事を発見。

乳がんの「その後」を予測するツール「プレディクト(PREDICT)」、予測の正確性は?

この記事の元になっている論文のabstractは、PubMedから読めます。

PREDICTとはイギリスのNHSのサイトで公開されているツールで、ここから実際に使える。

上から年齢、診断状態、腫瘍のサイズ、腫瘍のグレード、リンパ節への転移、ER状態、HER2状態、KI67状態、化学療法の有無とその世代を入力または選択して"Predict Survival"ボタンを押すと、テキストとグラフで5年後、10年後の生存率が表示されるようになっている。

補助療法を行わなかった場合のグラフがデフォルトの生存率で、プラスして、選択した補助療法が生存率をどれだけ上乗せできるのかがわかる。

入力する内容はそれほどないのと、見ればわかる内容だと思うものの、1点だけちょっと謎なのがKi67の選択肢。NegativeとPositiveから選ぶようになっているが、通常、Ki67ってパーセンテージで表現されていることが多いのではないかと。これは説明を読むと、10%以上をPositiveとするようで。

また、chemo(化学療法)のSecondとThirdとは、Secondがアンスラサイクリン系の抗がん剤(第二世代らしい)、Thirdがタキサン系の抗がん剤(第三世代らしい)を意味するよう。

しかし、PREDICTの説明ページを読むと、なるほど、2013年のザンクトガレンコンセンサスで指摘されていたイギリスのNHSでカバーされるようになった多重遺伝子ツールっていうのはOncotype DXなのではないかと。「NICEが最近推奨しているOncotype DX」的な説明が入っているので、そうなんじゃないかなーと。だったら、うらやましいな。

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